あなたはSDGsについてどのくらい知っていますか?
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。
持続可能な社会を目指すために、国連サミットで採択されました。17の目標と169のターゲットで構成されています。
開発目標の期間は2016年から2030年までの15年間。まさに次世代を担う私たちにとっては、切っても切れない関係にあります。
今回は、株式会社クレハで働く桜井 優香さんにお話を聞きました!
会社紹介
クレハのこだわり:「ナケレバ、ツクレバ。」
1944年の創業以来、どこにも無ければ、創ればいいという開発精神でモノづくりを続けている。生活必需品である「NEWクレラップ」を始め、高機能プラスチック・農薬・医薬品など、機能製品・化学製品の製造・販売・研究開発を行っている。
クレハのホームページはこちら。
桜井 優香さん 略歴
福島県出身
東京理科大学理工学研究科先端化学専攻 博士後期課程 修了
クレハには2021年4月入社し、中央研究所に所属している。
桜井さんの研究
ー クレハでの仕事内容を教えてください。
1年目は研究所で研究開発、2年目はPSTプログラム(1)により製造部で業務に従事しました。現在はまた研究所に戻り、基礎研究などの研究開発をしています。
ー 製造部のプラントでは、どういうことをされましたか?
NEWクレラップの原料であるPVDC(2)という化合物を製造するプラント施設で、三交替勤務(3)を行い、製造工程や品質管理などを学びました。現場作業を実際に体験することで、研究開発とは異なる新たな視点を養うことができました。また、製造部が抱えている課題を解決するために実験を行ったりもしました。
(1)PST(Practical Skills Training)プログラム:新入社員が初期配属から半年後に異部門に籍を置き1年間重要課題に取り組むことで、能力開発と意識強化を行う。
(2)PVDC:ポリ塩化ビニリデンのこと。クレハでは、魚肉ソーセージのケーシングフィルムであるクレハロンフィルムにも使用している。詳しくはこちら。
(3)三交代勤務:1日を約8時間に区切り、3つのシフトを交代で勤務する勤務形態のこと。例)①0:00~9:00 ②8:00~17:00 ③16:00~25:00(休憩含む)
ー 具体的にどんな研究をされていますか?
5〜10年後にクレハの中核を担う、新ビジネスの創出を目的とした新素材の研究開発です。 具体的には、新素材の物性や機能の評価、品質改善のための検討、あとは用途探索(何に適用できるか検討すること)なども一緒に行っています。
私達のチームでは、ゼロからイチを生み出す研究をしているので、文献調査や市場調査を中心に実施しています。また、チームによっては既存製品を改良する研究をしているところもあります。
ー その新素材がどんなものか少し教えていただけますか…?
簡単に言いますと、希少物質の代替品です。私たちの身の回りで日常的に使用されている製品の中には、レアメタルなどの希少な資源を使用して製造されているものがあります。私たちは、SDGsの観点から、そのような希少資源の代替として、再生可能な資源や自然界に豊富に存在する物質を有効活用する研究を行っています。
「クレハ」について
ー クレハに入社した理由はありますか?
一番の理由は、社内の雰囲気が良かったことです。
有機合成化学を専攻していたので、自分の知識やスキルが活かせるような素材メーカーに絞り、就職活動を行いました。クレハの採用面接では、面接官の社員の方々が、自分が学生時代に取り組んできたことについて、熱心に話を聞いて質問してくださったので、「この方達と一緒にお仕事ができたらいいな」と思いました。
ー とても雰囲気が良さそうな会社ですね!
入社した後に分かった良さもありますか?
穏やかな人が多いことと、若手でも活躍できる環境があることですね。特に、年齢性別関係なく意見を言える環境が整っていることがいいなと思っています。
ー そういった意見を言える場や相談する場が特別にあるということでしょうか?
チームにもよりますが、毎週、実験結果を話しながらやりたいことを話せるディスカッションの場があります。また、仕事の進め方や悩み、キャリアプランなどについて年に4〜5回ぐらい上司と面談する機会もあります。
苦労や壁
ー 研究開発や、お仕事をする上で苦労や壁はありますか?
世の中にはない全く新しい素材を生み出す研究ですので、社内でも知見がなく手探り状態であることが大変です。 「これならうまくいくのではないか」と思っても、なかなかうまくいかないことも多くて…ですが、その分やりがいがありますね。
ー 新規創出研究は大学でも行っていらっしゃったと思いますが、大学での経験は活きていますか?
粘り強い性格になったことが活かされていますね。(笑)
あとは、大学でもよく文献調査を行っていたので、仕事でも負担に感じず自然に行うことができています。
これからの目標
ー 桜井さん自身、これからの研究内容など、将来の希望はありますか?
今は、小さな試験管の中での研究ですので、事業化に向けたスケールアップを行っていきたいと思っています。
SDGsの面から考えると、現在と未来のニーズに常に寄り添った考えを持って製品を開発していきたいです。 現状の問題だけではなく、未来に起こりそうなことを想定して研究を進めていきたいですね。
ー クレハは今後どのような会社・社会を目指しているのでしょうか?
これからの社会になくてはならない会社である必要があると思います。
個人的には、ほかの企業とは全く違う差別化された価値ある製品を生み出して、さらに世の中に貢献できるような会社になっていけたらなと思っています。
次回予告!
今回は、株式会社クレハの桜井さんに研究内容について伺いました。
次回は、SDGsについてお話を聞きたいと思います!
ゼロから新素材をつくる研究に取り組んでいる桜井さんは、研究面・日常生活でSDGsについてどのようなことを考えているのでしょうか。
次回もぜひご覧ください!