【元高専生×元高校生】No.4 大学生が文理選択について語ってみた

まえがき

みなさん、「高専」という学校をご存じでしょうか?中学卒業後すぐからの5年間一貫教育で、専門分野(機械、電気、情報、化学など)と一般科目を体系的に学べる学校です。

凛のメンバーは、5人中3人が元高専生。高校に通った経験はありません。

「中学卒業直後から理系だった」元高専生たちは、どのようにして進路選択したのでしょうか?

シリーズ最後の本記事では、シリーズでとりあげてきた「文理選択制度」について、メンバーで議論したようすをお届けします。

文理選択の時期

ーーそもそも、文理選択についてどう思いますか?

まき:早すぎる!

ふうか:私もそう思う。高校1、2年で、将来が半分くらいは決まっちゃうから。

ひより:文系選ぶと後戻りできない(理系には行きづらい)っていうのが怖いですよね。

ふうか:うん。高校って、文理を決めた後だと学べる科目が制限されてくるし、理系が文系の授業を聴講で受けてみる、とかいうこともできないから、いろいろ見てから決めたいなって人には早すぎると思う。

注:文理を選択した後に、選択と逆の学部を受験したくなった場合は、「高校で履修していないが受験に必要な科目」が出てくる。それらの科目は、独学で勉強しなければならない。

さやか:あと、事前にもう少し「文系とは」「理系とは」っていうような説明があっても良いのではないかって思う。あまりにも説明がないまま、(自分の興味や学びたいことを考えずに)「文系だけが得意だから、文系に行きました」って言う人は多いと思う。

ふうか:あとから自分のやりたいことと照らし合わせて、自分の文理選択と合っていないことに気づいたとしても、それより前にした選択を変えられないのって辛いですよね。

さやか:文系と理系で完全に分断されちゃうのも良くないよね。私達は文系のことがよくわからないし、逆もそう。扱う内容とか、就職先とか、お互いのことを全然知らない。

ふうか:分断されてるからなのか、日本って理系の人サマサマっていう風潮がありますよね。高校の同級生たちがよく「理系なんだ、すごいね」って言ってきたのを思いだします。

さやか:理系出身者は「理系なんだ、すごいね」っていわれがちだね…。

文理選択がなくたって…

まき:でも、文系に行っても理系に行っても、やる気があればなんでもできるから、文理選択が全てではないよね。この先の人生は長いんだし、文系を選択しても理系の勉強はいくらでもできると思うし。

マシュマロ:それはそうですね。実は大学院で理転する人だっていますし。

注:奈良先端科学技術大学院大学はその一例で、文系学部を卒業した人が入学することもある。

さやか:文理云々とかではなく、人生なんとかなる。私は最後まで文理の区分が分からないまま社会人になったけど、なんとかなっているもん。

マシュマロ:皆、文理選択にとらわれすぎている面もあるのかな。

ひより:なんだろう…文理選択はなくてもいいと思う

さやか:なくてもいいと思うし、自分にここは合ってなかった、となる可能性があるのも文理選択だから、大きな挫折を味わうかもしれない機会という意味ではあってもいいと思う。

ふうか:そう考えると確かにあってもいいけど、やっぱり早すぎるよね…

あとがき

いかがでしたでしょうか?

日本の高校生の多くが悩まされる、文理選択。手に入れた情報も少ない中で選択をしなければならず、「早すぎる」のはその通りかもしれません。その結果、考えるべきところを考えないまま、選択をしてしまうこともあるでしょう。

この記事をご覧になっている高校生の皆さんには、今の自分が得意なことだけを進路選択の基準にするのではなく、自分の興味があること、学びたいことも基準にしてほしいと思います。

そして、もし、間違えたかな?と思うことがあっても、きっとなんとかなります。皆さんの見ている世界は「文理選択」という高い塀で仕切られているように見えるかもしれませんが、大学院での理転のように、塀の向こうに行く道はいくつもあるのですから。

たまには、塀の向こうを覗いてみるのもいいかもしれませんね。