【SDGsと私】「株式会社オールコセイ」のSDGs

オールコセイ

あなたはSDGsについてどのくらい知っていますか?

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。
持続可能な社会を目指すために、国連サミットで採択されました。17の目標と169のターゲットで構成されています。
開発目標の期間は2016年から2030年までの15年間。まさに次世代を担う私たちとは切っても切れない関係にあります。

今回は、引き続きオールコセイの代表取締役 浜地さんにインタビュー。SDGsについて伺いました!

会社紹介

株式会社オールコセイ

活動拠点は静岡県富士市で、コオロギ養殖と加工、移動スーパー事業を行っている。
コンセプトに「働く」「健康生活」「多様な人」を掲げ、就労弱者が働くソーシャルファームを目指して活動している。

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浜地さんのSDGs

ー SDGsに対して個人的に何か考えていることはありますか? 

 ここ5年で、急に広まった言葉だなと思います。
 ほとんどの人が意識していなかったことだと思いますので。 

ー そうですね。実際、大学生の私も言葉は知っていても、中身は理解できていません…
そのなかで、コオロギ事業を行うにあたって、特に意識しているSDGsに関しての目標はありますか?

 8番目の目標「働きがいも経済成長も」です。
 雇用に関する目標はこれだけなので、1番意識しています。

ー 浜地さんが、地域創生などの活動に興味を持ったきっかけはありますか? 

 前職の経験が1番強いかなと思います。

 前の会社も自分が創業して10年働きました。元々理系の人間なので、前の前の会社では、実験テクニシャンとして働いていて、福祉とは全く縁もゆかりもない人でした。しかし、福祉事業を始め、生きてることに困難を感じている人がこんなに多いのか、とショックを受けました。テレビなどで見たことはありますが、自分ごととして捉えられていませんでした。

 そういう現状を目の当たりにしたので、雇用環境・問題に対して、少しでもプラスに働くような事業をしたいなと思いました。 

オールコセイのSDGs

オールコセイでは、どのようにSDGsに取り組んでいますか? 

 まず1つは、SDGsのことを常日頃考えながら事業を行っているわけではないです。結果としてSDGsに貢献をしているというのは理解はしてるんですけども、日々お客さんと接する中で、SDGsのことを前面に押し出しても、消費者の方がSDGsに価値を感じていないので。

 スーパーで物を買う時にこれが環境に良いからという理由で買う人って、まだそんなにいないと思います。もちろんSDGsを発信することは大事だと思っているけれども、ひとりひとりのお客さんに対して、SDGsを押し出すことはない。

 やっぱり、食品業界で生きて行く上では、美味しいものをつくっていくことが1番大事かなと思ってます。

オールコセイ
たくさんのコオロギ食品が並ぶ東京御徒町の店舗

ー なるほど…しかし、昆虫食は環境に優しいと聞いたこともあります。
昆虫食の具体的なメリットはありますか? 

 今は動物性タンパクを摂取しようと思うと、肉か魚のどっちかだと思います。しかし、1kgの肉を作るための環境負荷が、肉も魚もすごく大きいです。 それに対してコオロギは、餌は人間が食べるための野菜の廃棄部分を使っています。水もほんの少ししか飲みません。これで同じような1kgの動物性タンパクを作ることは可能なので、現場を見てると畜産動物を育てるより環境負荷が少ないなと思います。

ー コオロギ事業や就労支援などについて学生に知ってほしいことや伝えたいことはありますか? 

 自分の目で見て耳で聴いて経験したことをもとに、自分の意見を持つといいなと思ってます。24時間テレビで子供の時から見てきましたが、実際障害者と喋ったのは前職が初めてでした。どんなことを思っていて、どんな境遇で生きてきたかも、やっぱり本人に聞かないと分かりません。

 SDGsって、見ることはできないです。概念のような感じですよね。 だから、実際にSDGsに最前線で取り組んでいる人たちとかに話を聞くのが、すごくいいんじゃないかなと思ってます。

 経営者は別ですが、末端で養殖をしている人たちは、SDGsのことを考えて作業しているわけではありません。となると、SDGsって一体なんぞやみたいな。 

 だから、自分たちなりに考えるといいなと思っています。SDGsって言葉だけが先走りするのではなく、本質が何なのかを自分の言葉で言えるようになると素敵だなと思います。

編集後記

 今回は2回にわたって、株式会社オールコセイさんの「コオロギ事業」と「SDGs」について伺いました。皆さんが持つ「昆虫食」に対しての印象は変わったでしょうか?

 「昆虫食」について聞く機会は増えましたが、実際のところよく理解できてはいませんでした。でも、いざ知ると、メリットも多く、味も意外と美味しくて好印象でした◎
 現状「昆虫食」は当たり前ではないですが、これからどんどん普及していき、新しい選択肢の1つになるといいですね。

 これを読んで気になった方は、まず実際に「コオロギ」を食べてみてください!