こんにちは!理系女子大生コミュニティ凛です。
前回の記事ではコロナ禍での研究職の方の働き方についてお話を伺いました。取材させていただいた森本さんは、取材の様子から、とても楽しく働いていらっしゃることがわかりました。
そこで今回は、現在の仕事に至るまでの経歴から研究職の魅力まで、引き続き森本さんにお話を伺います。
前編はこちら↓
現在の仕事に至るまでの経歴
──森本さんが理系を目指そうと思ったきっかけはなんですか?
きっかけは、高校生のときにすごく有機化学が好きで、有機化学を使った薬系の仕事につきたいと思ったことです。
でも、大学に入ったら有機が嫌いになってしまって(笑)。高校の有機と大学の有機って全く違いませんか?
──わかります。
すごく嫌いになっちゃったんですけど、大学は有機を扱う研究室ばかりで。少し視点を変えて、大学院では生物の側面から薬に携わる研究をすることに決めました。
──大学ではどのような研究をされていたんですか?
薬剤耐性の原因となる膜タンパク質の構造解析をしていました。今とは全然違う研究ですね。
──ではなぜ、大学とは研究分野の違うエステーに入ろうと思ったんですか?
就活をするうえで、BtoBの会社より、BtoCの会社で人の生活に近い製品を生み出したいと思い、製薬メーカーや日用品メーカーを志望していました。
最初は製薬メーカーの志望度の方が高かったのですが、より生活に身近なものづくりに携わる日用品メーカーに魅力を感じるようになり、ご縁のあったエステーに入社しました。
BtoC…Business to Consumer。企業が一般消費者に商品やサービスを提供するビジネス形態。
BtoB…Business to Business。企業が企業に商品やサービスを提供するビジネス形態。
──入社してから勉強することは多かったですか?
そうですね、消臭剤や香料の知識などは全くなかったので、入社してから先輩に教えてもらったり、自分で勉強会に参加したりしました。
でもやってることは違っても、自分で計画を立てて研究するというベースは大学の研究室で培ったことで、今に活かせていると思います。
──私は今大学3年生で、院に行くか迷ってるのですが、森本さんは院卒ですか?
私は院受験をしました。先ほど言った研究は大学院でのもので、大学のときはまた違う研究をしていました。
──研究職に就きたいと思って院に行かれたんですか?
そうですね、研究職・開発職を目指していました。
──大学時代にやっておけばよかったことはありますか?
就活のときに製薬や日用品に絞ってみていたと言いましたが、もっと幅広い業界を見てもよかったなと思います。就活生のときにしか色んな会社に行ける機会ってないんですよね。一回会社に入るとなかなか他の業界を見に行く機会はないので、知らない世界を見ておきたかったなと思います。
研究職の魅力
──研究職をやるにあたってどのような能力やスキルが必要だと思いますか。
製品の研究は、たくさんの人と関わりあいながら進めていきます。社外の人と仕事をすることもあったりと、自分が会社に入る前にイメージしてたよりもずっと多くの人と一緒に仕事をしています。
目的を考え、手を動かして、自分で実験を進めるスキルはもちろん必要ですが、それ以上に協調性やコミュニケーション能力も大切だと思います。
──研究職の魅力を教えて頂いても良いですか。
そうですね。私の会社での研究職の話にはなるのですが、沢山の人と一緒に、長い工程を経て一つの製品を作れるところが魅力だと思います。
大学での研究だと自分の中でスケジュールを組んで結果を出していけばよいのですが、製品に関わる研究をしていると一つの製品を仕上げていくために様々な人が関わります。スケジュールを合わせたり、細かい打ち合わせをするのが大変な時もありますが、最初の処方設計の段階から、工場での生産まで幅広い範囲でその製品に関わることができるのは、とても貴重な経験です。
おわりに
前回(コロナ禍と研究職)の取材でもスケジュール管理の重要性を感じましたが、それは大学生の時から培ってきたスキルであることがわかりました。
研究そのものが好きな人はもちろん、製品を作ることが好きな人にとっても、研究職は魅力的な職業なのだと思いました。ありがとうございました!
取材させて頂いた人
エステー株式会社
R&D部門 研究グループ 森本 真由
東京工業大学大学院 生命理工学研究科 (分子生命科学専攻)卒。
2017年入社後、R&D部門研究グループに配属。
現在、『消臭力』をはじめエアケア製品全般を担当。
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