輝いている大学生 第1弾〜前編〜 鳥人間サークル 神田華さん

理系学部に進学すると学業が忙しくてなかなかバイトやサークル活動に打ち込めないのでは?という疑問をもたれる中高生も少なくないでしょう。そこで今回は、サークルや学生団体で意欲的に活動を行っている理系学部に所属する大学生お二人にお話を伺いました!

皆さんテレビで一度は「鳥人間コンテスト」を見たことがあるのではないでしょうか?今回はその鳥人間コンテスト出場に向けて活動をしている、東京理科大学 鳥人間サークル 鳥科に所属している神田華さんにお話を伺いました。サークル活動にかける想いや、自身の強みとの向き合い方教育産業への希望について語って頂きました!

この記事を読んだ学生の皆さんには、意欲的に活動をしている同世代の考えに触れ、刺激を受けてもらえれば嬉しく思っています。また、この記事を通じて多くの理系学生のポテンシャルを感じてもらえれば幸いです!

目次

前編:サークル活動について
後編:将来について

取材した大学生:神田華さんのプロフィール

東京理科大学理学部第一部応用物理学科3年。小学校での理科の先生との出会いがきっかけで理系に進む。高校生の時に、「シャボン玉の割れる時間と膜の厚さの関係性」についての研究を行い、大学二年生から研究室に所属し現在も研究を続けている。鳥人間コンテストの番組で琵琶湖を飛んでいる機体を見たことがきっかけで同大学の鳥人間サークル 鳥科に入部し、現在はパイロット及び電装班班長として活躍している(取材当時)。

所属している団体:東京理科大学 鳥人間サークル 鳥科について

 毎年夏に開催される鳥人間コンテストに向けて機体製作を行っているサークル。製作部位ごとにコックピット班、翼班、接合班、電装班の4班に分かれ、分担して作業を行っている。普段は本番に向けて試作やテストフライトを行い、チーム内記録・大会記録の更新を目指して活動している。部員は現在約60人。大学1~3生で構成されている。

http://torica-19.digick.jp

東京理科大学 鳥人間サークル 鳥科ホームページ

 サークル活動について

・鳥人間サークル 鳥科の活動スケジュールを教えてください。

私たちは毎年夏にある鳥人間コンテストに向けての機体製作を行っています。製作部位ごとに4班に分かれていて、私はその中の電装班の班長として活動しています。サークル全体の動きとしては鳥人間コンテストの本番が7月なので、それに向けて機体の制作を行っています。制作の開始時期は先輩が引退した夏休みからです。スケジュールは班によって違いますが、前年度の反省を踏まえて機体に様々な改良を加えて試作機の製作をし、12月までの完成を目指します。4月ごろからは本番機の作成を行います。
                

・神田さんは電装班に所属しているとのことですが、電装班の活動内容について教えてください。

電装班では、機体に搭載するメーター類や機体を操縦する装置の製作を手がけています。 班員同士で話し合って制作を進めていますが、時にはパイロットともどのようなものが必要であるか話し合いながら制作を行います。具体的には機体に乗せる電装部分を選定したり、自分達で電装のプログラムを書くこともしています。

・専門的な知識が必要そうですが、初心者でも電装班に入ることは可能なのでしょうか。

もちろん入れます!先輩の技術を引き継ぎながら制作を進めるので、元々モノ作りをしていた人でなくても、何もわからない人でも大丈夫です。プログラミングは難しいからと敬遠する人が多いのですが、初心者でもできる簡単なものから始めて、技術を身につけていきます。1年生は単純なロボットを作るところから始めます。ひとつ下の後輩は12人いますが、うち10人は初心者でした。私も今でもコードを作るのは苦手です(笑)

・サークル活動ながら本格的なスキルを身につけることができるんですね!ちなみに、電装班の3年生になるとどのようなことができるようになるのでしょうか。

最初は先輩に教えてもらいながら製作を進めていきます。ソフトや工具の扱いに慣れて来たら本を読んだりネットで調べたりして独学でスキルを身につけていきます。3年生になる頃にはみんな自分で一つの装置を作ることができるようになります。 

機体を作成している様子



・神田さんが鳥科の活動を行う上で魅力的だと思っていることは何でしょうか。

他の学生では作ることがないようなものを部員が一丸となって製作することです。また、年1度しかない大会で好記録を出すことを目標として部員全員が一年間かけて試行錯誤しながら手を抜かずに努力し続けることも魅力の一つだと思います。

・何人もの人が集まって一つのものを作り上げることは素敵なことですね。一年という長期戦の中で活動を行い続ける原動力はどこからくるのでしょうか。

電装班としては、部員それぞれが重要な役割を担う中で自分もその一員として役割を果たさなければと感じています。また、パイロットとしては作り上げた機体を託してくれるみんなのためにも、本番のフライトを成功させるという強い思いもあります。執行代になり自分たちが飛ばす立場になった時に、パイロットの責任をより一層感じるようになりました。

・執行代になり、またパイロットという立場からもサークルを運営していくのは大変だと思うのですが、活動をするうえで自分の強みをどのように生かしていますか。

今まで培ってきたコミュニケーション能力を生かしてチーム内での仲を深めて結束を高めたり、チーム外では知識を得て自分のものとしたりしたところですね。例えば、パイロットの技術や練習用の機器の使い方は直接教える機会が多いのでコミュニケーション能力が必要になります。また、フライトプランや制作プランを考える時にチームをまとめる必要があります。重要で複雑なことである設計する機体の特性などを全員に理解してもらうためにも、高いコミュニケーション力を活かしたことで、円滑に話を進められました。

パイロットとして試作機体を動かしている様子



・コミュニケーション能力を身につけたいと思っても難しいと感じている人は多くいると思うのですが、コミュニケーション能力を高める方法などがあれば教えてください。

好奇心を持つこと行動することだと思います。実は、私は二生の時から研究室に所属しています。私の大学は通常、研究室への所属は4年次からなのですが、興味のある研究があったので、大学合格が決まってすぐに研究室に連絡を取り、訪問をしました。

・逆にサークルで活動をしたからこそ実感した自身の強みはありますか。

パイロットという責任ある仕事を任され、それの役割をしっかり全うしようと言動で示すことを意識したことで、周りもついてきてくれた、というのは強みかもしれません。それまでは私は責任を感じると背負い込みすぎる部分があったのですが、それが組織の中では人を導く力になって発揮された気がします。

・活動を通して、モノづくりに対しての考え方に変化はありましたか。

モノづくりはただモノを作るだけでないということです。大きなモノを作るときはコミュニケーションが大切で、モノづくりは決して一人で立ち行かないものだと思いました。

・活動を通して、理系の強みを感じたところがあれば教えてください。

普段の勉学で養った考察力と多角的な視点、それを部員全員が持っていることでダブルチェックないしそれ以上の確認ができることが理系の強みだと思います。

 

・お話を伺っていると何事にも全力な姿勢が伺えます。サークルの活動や専攻での勉強、研究活動などの両立が大変そうですが、神田さんはどのように両立されているのでしょうか。

どれも力を入れて取り組まなければならないので、勉強の時間、サークルの時間、研究の時間と、それぞれの時間を分けてスケジューリングしています。勉強はすごく苦手ですが、研究室レベルの勉強は学部のものでは足りません。苦手でも知識がないと何もできないので勉強していますね。これら3つにはそれぞれ結びつきがあり、やる理由があるので続けられています。

おわりに

ここまでは神田さんの所属するサークル活動についてお話を伺いました!次回は神田さんの将来の進路についてお話を伺います!!